2011年9月30日金曜日

Trattoria Al Vecchio Club Rosanero(Palermo)

パレルモに来て驚いたのが、何よりも食べ物が安いということ。
よく仕事上がりに食べにいくRosticceria(ロスティッチェリア:総菜屋さん)でも
1〜2ユーロくらいで、総菜パンや菓子パンが買えます。
それも種類が豊富で、今日はどれを食べようかというのも、仕事終わりの楽しみの一つです。

そしてTrattoria(トラットリア:大衆食堂)もまた然り。
パスタ、メインを頼んでも10ユーロくらい。
もちろん、観光客を相手にしてるようなお店だと割高にはなりますが、それでもフィレンツェなどに比べると破格の値段です。
それもかなりのボリュームです。

今回紹介するのは『Trattoria Vecchio Club Rosanero』
このお店も、地元客がほとんどを占める、コテコテのトラットリアです。

パレルモのサッカーチームの旗が靡くお店の入り口
休日、お店の調理道具の買い出しのついでに、シェフと一緒にランチすることにしました。

Rosaneroとはパレルモのサッカークラブ『USチッタ・ディ・パレルモ』の愛称。
チームカラーがピンクと黒であることから、そう呼ばれています。
名前の通り、お店の中にはクラブ由縁のグッズが所狭しと飾られています。

メニューは壁にかけてあるホワイトボードから注文します。


ブロッコリーとサルシッチャのスパゲッティ
秋も近付き、市場でもブロッコリーが出始めてきました。
ブロッコリーと言っても日本のような深い緑色をしたブロッコリーではなくて、黄緑色をしたブロッコリー。
味はどちらかというとカリフラワーに近い感じです。

ソースはパスタと和えずに、茹でたパスタにどばっと乗せただけ。
それでも旨い! と唸ってしまいました。
クタクタに煮込んだブロッコリーとサルシッチャのソースが何とも素朴で、力強い。

シェフはズッキーニのスパゲッティを選んでました。
これも茹でたスバケッティにズッキーニ(普通のズッキーニではなくてズッキーナ・ルンガ)のフライを乗っけて、オイルをたっぷりかけただけ。
おそらく日本で出したら怒られそうな料理なんですが、これがなかなか旨いんです。
しっかり色づくまで揚げられたズッキーニの香ばしさと甘みが絶妙。
働いているお店でも賄いでよく食べますが、やはりしっかり色づくまで揚げるのがこの料理のコツのようです。
もうそろそろ終わるズッキーニの季節を思いを馳せたり、なかったり。。。


豚肉のコトレッタ スフィンチョーネ風
シェフが選んだメインは豚肉のコトレッタ、スフィンチョーネ風。
コトレッタはカツのこと。スフィンチョーネはロスティッチェリアの定番のピザパンです。
早い話が、ピザ風トンカツ。。。カツにトマトソースとチーズを乗せた料理です。
豚肉が意外に柔らかくてちょっとびっくり。
トマトソースはタマネギがたっぷりでちょっと甘めでした。


イカのロースト
自分が選んだのはシンプルにイカのロースト。
そのまんま焼いただけのイカにオレガノ、オリーブ油、レモンを添えただけです。
前日の仕事終わりにかなりお腹いっぱいに食べてたので、さっぱり系が食べたかったので。


家族経営ということもあり、料理はまさにパレルモの家庭料理。
派手さは無いものの、素朴でパンチの効いた料理が食べられるお店だと思います。

そして基本昼だけの営業(週末は夜もやってるとか)。
日本ではなかなか出来ない営業形態だと思いますが、なんかこんなお店もいいですね。



Trattoria Al Vecchio Club Rosanero
http://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187890-d1510360-Reviews-Trattoria_Al_Vecchio_Club_Rosanero-Palermo_Sicily.html
(トリップアドバイザーより)

2011年9月29日木曜日

Panino con la milza

前回のPanino con panelleに続いて、パレルモジャンクフード第2弾です。
今回はPanino con la milza(パニーノ・コン・ラ・ミルザ)。
milzaとは脾臓のことをさす言葉です。

前に住んでいたフィレンツェは、trippa(トリッパ:牛の第2胃、ハチノス)やlampredotto(ランプレドット:牛の第4胃、ギアラ、赤センマイ)
が有名で、屋台やお店でもたまに食べていましたが
milzaは、いわばパレルモ版モツ料理です。


パレルモでは一番、とシェフが太鼓判を押したのがこちらのお店『NINO U' BALLERINO』です。
NINO U' BALLERINO

訪れた時間が、平日の午前中ということもあり、そこまでお客で混んでる様子ではありませんでした。

Panino con la milzaを作ってる様子
パンにmilzaを挟み、塩、こしょう、レモンを搾りかけて出来上がり。

milzaを煮ている鍋
 milzaはラードで煮ています。
かなり脂っこいのですが、パンに挟む際に、紙に一旦milzaを乗せて余分な脂を切ります。
そのちょっとした一手間に、こだわりを感じました。

Panino con la milza
食べてみると、モツ独特の香りはありますが、そこまで癖はありませんでした。
ねっとりと、舌に纏わり付くようなゼラチン質ですが、こしょうのアクセントとレモンの酸味で味わいは意外にもさっぱり。
フィレンツェのランプレドットも好きですが、これもかなりいけてました。


ちなみにこの動画に出てくるのがNinoさんのようです。


メルカート(市場)
 帰りに近所のメルカートをぶらぶら。
写真中央の長いのはzucchina lunga(ズッキーナ・ルンガ。ククッツァとも言われます)、
その右にある葉っぱはtenerumi(テネルーミ)。ズッキーナ・ルンガの葉っぱです。


夏野菜もそろそろ終盤。
夜はすっかり涼しくなり、秋が近付いてきました。

2011年9月20日火曜日

Panino con panelle

パレルモのジャンクフードの筆頭、Panino con panelle(パニーノ・コン・パネッレ)。
パネッレとはひよこ豆の粉を水で練った生地を油であげたスナックです。
それをパン生地ではさんだものが、Panino con panelle。
炭水化物+炭水化物という、関西人もびっくりのジャンクフードです。

その老舗が、パレルモ郊外のSferracavallo(スフェッラカヴァッロ)という小さな港町にある
『Rosolino』というお店です。

ちなみに、このスフェラカヴァッロという町のトラットリアにはメニューが無く
着席と同時に自動的に料理が出てきます。
しかもボリュームが半端無く、前菜だけで揚げ物、魚介を中心に4〜5種類 。
パスタが2種類、メインに魚介のグリルの盛り合わせが出てきて、ワインなどすべて込み込みで 
一人、20〜30ユーロというかなりの破格のトラットリアしかなかったりします。
2回ほど行きましたが、食べた後はしばらく魚が見たくなくなるほど・・・。

そんな町の中にひっそりと佇むこちらのお店。


中に入ると、奥からおやじさんが出てきて、
「パネッレが食いたいのだろ?」と言わんばかりに、おもむろにパネッレを揚げ始めます。

パネッレ食いたいんやろ〜〜??

勝手に写真を撮らせてもらっていたら、
「ほら、撮りなさい」 とポーズをとっててくれました。

ドヤッ

お店のショーケースには、他にもピーマンやブロッコリのフライ、
じゃがいものコロッケのようなものもあり、好きな具をはさんでくれます。

ドヤッ
こう見るとそこまで大きく無いように見えますが、おやじさんの手がかなりでかいので
実際はかなりのボリュームがあります。
これ一個で十分お腹いっぱいになりました。

派手さは無いものの、素朴な、パレルモ人に愛されているジャンクフードなのです。

ちなみに、店内にはおやじさんのお店の写真や、新聞の切り抜き
若い頃の写真も飾ってあり、かなりのダンディーイケメンでございました。


2011年6月11日土曜日

San Vito Lo Capo(Trapani)

サン・ヴィート・ロ・カーポ中心地
サン・ヴィート・ロ・カーポはパレルモから西へ100kmほど
トラパニからは東に40kmほど行った所にある小さな町です。

ちょっと中心から外れた道では牛の行列が・・・。
他にもの羊の放牧地なんかもあったりして、かなりのどかな雰囲気。
牛注意の看板なんかもあったりしました。

恐らく観光で成り立っているであろうこの町。
訪れた前日まで、クスクス・フェスタ(クスクス祭り)が行われていたようで
中心地では撤去作業の真っ最中。

お昼に訪れたPochoもクスクスを名物料理として提供していましたが
他のレストランやトラットリアでもクスクスを看板料理に掲げていました。

そして何よりもサン・ヴィートと言えばビーチ。
まさにエメラルドグリーンの海!
当日は生憎の天気でしたが、それでも海水浴客は結構いました。
まだまだ海の水は冷たかったですが、それでも気持ちよかったです。

ただ泳いでいる最中に雨が降り出したので撤収。。。
時間も時間だったので町を軽く散歩しながら、クスクススェーラの売っているお店を探すことに。

4人の利用のレンタル自転車
ビーチの近くにレンタルサイクルがありました。
普通の自転車の他に、4人乗りのものまで。
それぞれのシートにペダルが付いていて、一人一人が漕ぐようになっています。
しかし、そこはイタリア。乗っているカップルを見かけましたが、彼氏は話に夢中、彼女が頑張って一人で漕いでいました。

店先に飾られたカラフルなクスクスェーラ
 しばらく町を散策していたら店先にクスクスェーラを飾っているお店を発見。


シンプルなものや、飾りの付いたもの、小さなサイズから巨大なサイズまで 。。。
いろいろなクスクスェーラがありました。

お店用に一つと、同僚が一つ買って帰りました。

陶器のマグネット
他にも、陶器で出来たマグネットなど。可愛い小物も沢山。


車が無いとなかなか遠出は難しいのですが。(とくにシチリアの鉄道はかなり不便)
幸いシェフが車を出してくれるので、色んな所に行けて楽しませてもらってます。

2011年6月9日木曜日

Pocho(San Vito Lo capo)

先日はトラパニ近郊のサン・ヴィート・ロ・カーポという街にあるリストランテ
『Pocho』にクスクスを食べに行ってきました。

トラパニにはクスクスに魚介のスープを染み込ませた
『クスクス・トラパネーゼ』と呼ばれる伝統的な料理があります。
一般的にクスクスと言えば肉料理を連想しますが、クスクス・トラパネーゼは海に囲まれたシチリアならではのクスクスだと言えます。

さて、今回訪れた『Pocho』ですが、毎週日曜限定で
『クスクス・デグスタティオーネ』と呼ばれる、クスクスのフルコースが食べれます。

テラス席


食事に入る前に、クスクスの伝統的な作り方を教えてくれる、と言うので調理場にお邪魔しました。
残念ながら、『クスクスの女王』との異名を持つ、シェフのマリルーは出掛けているとのことで
代わりのシニョーラが作ってくれました。

まず、 セモリナ粉を少量の氷水でよくすり混ぜます。

 こちらの鍋が、クスクス用の鍋、クスクスェーラ。
そこに5mmほどの穴がいくつか空いており、鍋の上に置き、水を沸かした蒸気で蒸らす仕組みになっています。

ある程度セモリナ粉がまとまってきたら、塩、こしょう、パセリ、玉ねぎ、シナモンを加えて調味します。



クスクスェーラに先ほどのセモリナ粉を移します。

レモンの皮とローリエを香り付けに刺します。

水、香味野菜を入れた鍋の上にクスクスェーラを置き、小麦粉と水を練った生地で隙間を塞ぎます。
そのまま1時間ほど蒸らし、料理ごとにスープを染み込ませて、更に蒸らしてクスクスの完成です。

 一通り、クスクスの作り方を見せてもらった所で、席について食事のスタートです。

食前酒
まず食前酒として、シチリアの特産である、レモンを使ったカクテル。
カクテルとはいえ、かなりアルコールは強めで、アルーコールがダメな自分はアウト。。。でした。
一口ちびっとだけ。。。

パネッレ
こちらはシチリアのスナックで、パネッレと呼ばれ、ひよこ豆の粉の生地を揚げたもの。
黒こしょうがたっぷり効かせてあり、素朴な味わいながらもパンチがあって、お酒に合いそうな味でした。。。

 
テラスからの眺め。
サン・ヴィートの街と海が一望できる最高のロケーションです。
こんな所でランチを食べるなんて、最高の休日です。。。

クスクス・ディ・ペッシェ
一皿目に出てきたのは『クスクス・ディ・ペッシェ』
魚介が豊富なシチリアならではのクスクスです。
イカと海老のフリットも添えてあり、別の器には魚介のスープ。

付け合わせ
更に、イワシ、太刀魚のフリット、スープを採った魚(カサゴやボラ)も別皿で。

 クスクスは予めスープを染み込ませてあり、十分味は吸い込んでいますが、更にスープをかけて頂きました。
蒸して作るクスクスを初めて食べましたが、食感が全然違うことに驚きました。
インスタントのように、モサモサしておらず、歯ごたえもしっかり残っていて、かつスープの味もしっかり吸っていて。
スープもスパイスが利いていて、日本人に特に好まれそうな味でした。
魚介のうまさもさすがシチリアです。

レモンのシャーベット
 お口直しのレモンのシャーベット。
口の中をさっぱりさせた所でメインのクスクスの登場です。

クスクス・ディ・カルネ
 メインはお肉を使ったクスクス。
どちらかと言うと、こちらのクスクスの方が馴染みがありますね。
豚肉、ソーセージ、ピーマン、ウイキョウなどの具と、スパイスを利かせたスープをたっぷり染み込ませたクスクスを合わせてあります。

スープはたっぷり吸ってはいますが、やはり歯ごたえはプチプチと心地よく。
程よくスパイシーなクスクスは馴染みのある味です。
恐らくクミンが入っているような。。。

クスクス・ドルチェ
 マリルーのオリジナルのクスクスのデザート。
こちらのクスクスは水だけで蒸らした後、レーズンやドライイチジク、アーモンド、バターなどで味付けして
オレンジのマルメラータを添えてあります。
素朴な味ですが、クスクスの食感が良いアクセントになって、オレンジのジャムが甘味を補ってしみじみと美味しいデザートでした。

クスクスだけのコースと聞いていたのですが、味に飽きることもなく、お腹にもちょうど良く。
そして最高のロケーションで食べる贅沢。
たまにはこんな休日もいいものですね。

今回頂いたクスクス・デグスタティオーネですが、最初に書いたとおり日曜日限定のコースです。
トラパニでもクスクスは日曜に食べる料理のようで、作る手間など考えれば納得でした。
今回はうちのレストランのオーナーのコネで特別に月曜にやってもらいました。
さすがコネ社会のイタリア。。。いやいや感謝です。

ちなみにPochoはネコの名前だそうです。
お店にも至るところにネコの置物がありました。
ホテルも併設しています。
ホテルに泊まって美味しいクスクスを食べ、サン・ヴィートの海でゆっくり過ごす。。。
そんな贅沢な滞在も出来ます。

Pocho
http://www.pocho.it/


2011年5月19日木曜日

Ristorante La Madia

先日、働いているレストランのシェフと、同僚と一緒にリカタにあるリストランテ
『La Madia』へ行ってきました。
2011年版のイタリアのミシュランで2ツ星です。

移動はシェフの車で。
現在住んでいるパレルモからAutostrada(高速道路)を使って4時間弱ほどで到着しました。
(途中ちょっと寝てました・・・。すいません・・・。)


お店の外観は一見するとトラットリアと間違ってしまうほど質素。
しかし、このレストランこそがシチリアでもトップレベルのレストランなのです。

店内も至ってシンプル。

La Madiaのシェフ、ピーノが、うちのレストランのシェフと友達ということで、今回はおまかせで・・・。


ウイキョウのスープとイカのニョッキ
最初の料理は、イカのニョッキを添えた、ウイキョウのスープ。
アーティチョークのチップスと、ニョッキの上にはイカスミのパウダーが添えてあります。
スープはイタリア料理ではプリモピアットに分類され、パスタと同じ扱いです。
本来だったら、前菜の後に出る料理な訳ですが、ピーノ曰く
「コースを始めるにあたり、スープを飲んで一旦リラックスしてもらうため」

お腹の空いた所に、優しい食感のニョッキと優しい味のスープ、イカスミパウダーのほのかなアクセント。
いやが上にも次の料理への期待が高まります。


イワシのゼリー寄せ トマトの種と玉ねぎ ボッタルガのマヨネーズ

最初の前菜です。
ゼリーは海のゼリーと言っていました。
イワシをほのかに魚介の香る(和食の出しのような)ゼリーで寄せ、トマトの種、玉ねぎ
そして回りをまぐろのボッタルガ(カラスミ) のマヨネーズで囲ってあります。
見た目の通り、爽やかでいて和食に通じる旨味を感じました。


水牛のモッツァレッラのムース
二番目の前菜はモッツァレッラ・ブファッラ(水牛のモッツァレッラ)のムースを牛乳の膜で包んだもの。
ムースと言うよりも、泡に近い軽い口当たりでした。
その下にはパンツァネッラと呼ばれるトマトとパンのサラダ、バジルのピューレが潜んでいます。
全てを一緒にして食べるとカプレーゼ(トマト、モッツァレッラ、バジルのサラダ)の味になると言う狙いだそうです。
とにかく、ムースの軽い口当たりに驚きました。
しかし味わいはあくまで正統派。


海をイメージした料理
続いて第三の前菜。
一見するとポーチドエッグのように見える白いものは、海水をエスプーマ(泡)にしたもの。
その下には、ズッキーニ、あさり、ウニ、イカ、アーモンドの砕いたものと、アーモンドミルク。
ピーノ曰く
「海に飛び込んだとき、口の中に海水が入り込んで来るのをイメージした」とのこと。
あさりや、ウニ、イカはもちろん海の幸、ズッキーニは海藻、アーモンドは海底をイメージしたそうです。
食べてみれば確かに口の中に磯の香りが広がりました。
ズッキーニやアーモンドの食感がちょうど良いアクセントにも。


ククッツァを詰めたイカのラビオリ アンチョビのソース
第一のパスタ。
個人的に一番好きだった料理です。
ククッツァのピューレをイカで出来た生地でラビオリにしたもの。ソースはアンチョビのソース。
ククッツァとはズッキーナ・ルンガともよばれる長いズッキーニのこと。
色も普通のズッキーニとは異なり、白っぽい、灰色がかった色をしています。
また、葉っぱもテネルミと呼ばれ、食べられます。
ラビオリもさることながら、このソースがめちゃうまでした。
アンチョビのソースではありますが、アンチョビは仄かに香る程度。
どちらかと言うと、甲殻類のクリームのような凝縮した味でした。
作り方は、ここで働いていた友人に教えてもらいましたが、口止めされているので(笑)。
上には海老とパルメザンチーズを焼いたもの。




タコのロースト パセリとパプリカのピューレ
第二のパスタの前に魚。
タコをローストしたものに、パセリのピューレ、パプリカのピューレを合わせたもの。
回りに、パン粉を炒ったものをちらして。
シンプルにおいしい料理でした。
パセリ、パプリカのピューレとタコの味のバランスもなかなか。
一緒に行った人はこれが一番美味しかったと言ってました。
ちなみにピーノは「なんで?」とちょっと不服そうでしたが・・・。




スカンピ海老のスパゲッティ
第二のパスタ。
スカンピ海老(手長海老)のソースに手打ちのスパゲッティを合わせた料理。
ピューレはトピナンブール(キクイモ)とメニューには書いてありましたが、
「トピナンブールのようなものだ 」と言っていたので、不明です・・・。
海老の濃厚な出汁とちょっとクセのあるピューレ、ソテーした海老の甘味。
美味しくないわけがありません。


卵のパン粉焼きとアスパラガス アーティチョーク添え


「メインに行く前に」と出されたのがこの料理。
茹でたアスパラに、パン粉焼きにした半熟卵、ソテーしたアーティチョーク、パセリのペーストが添えてあります。
シンプルで、目新しい組み合わせではありませんが
アスパラの甘味、パセリの苦み、卵のまったりとした味、パン粉の香ばしさや食感・・・
定番の組み合わせには、定番たる裏付けがあるんですね。




ファルソマーグロのラビオリ
「肉料理の前に」と言って出されたアスパラの次に出たのがこの料理。
ラビオリなのでパスタではあるんですが、肉料理と考えていいのでしょうか?
(そこは未確認ですが・・・)
ファルソマーグロとは、牛(子牛)肉の薄切りに、ミンチやパン粉、チーズ、ハムなどを詰めて
煮込んだシチリア料理。
これをピーノ流にパスタ料理に仕上げたものだそうです。
ただし、ラビオリの詰め物には肉は使っていないそうで・・・。
下に敷いてあるのは牛乳の乳脂肪分のソース、モルタデッラ(ハムの一種)をゼリーで寄せたもの、サマートリュフがあしらってあります。
詰め物は確認できませんでしたが、おそらくチーズの味がしました。
美味しいのですが、ただこれがファルソマーグロか、と言われると
ちょっと・・・て感じではありましたが。


鳩のロースト レバーのペーストと玉ねぎのフリット添え
メイン料理は鳩肉でした。
シチリア料理で、鳩肉とレバーを一緒に煮込んだ料理があるらしいのですが
それをレストラン風に仕立てたのがこの料理だそうです。
フレンチでも、鳩肉とレバーペーストは定番の組み合わせではありますが。
鳩胸肉はローストした後、表面をキャラメリゼして、甘味と食感をプラスしてありました。
ソースはちょっと甘味の利いたソース(マルサラっぽい味が・・・)。
安心できる美味しさです。


プレデセール。レモンのグラニータとブリオッシュ
デザート前のプレデセールとして。
シチリアではジェラートやグラニータ(イタリア版かき氷のようなもの)を、ブリオッシュと一緒に食べたりします。
さっぱりとした味ですが、ブリオッシュがなかなか食べ応えがあって・・・。


カンノーリとマルサラ酒のジェラート マルメラータのソース
メインデザートはカンノーリ。
シチリアのお菓子と言えばカンノーリです。
生地を筒状にして油で揚げ、中にリコッタチーズのクリームを詰めたものです。
一般的にお菓子屋さんなどで売られているのは、クリームに砂糖漬けのフルーツなどを混ぜた
かなーり甘いお菓子なんですが、レストランのデザートと言うことで甘味は控えで、
詰め物もクリームだけで、ナッツとオレンジピールを上から散らしただけです。
ジェラートは、シチリアのお酒である、マルサラ酒を効かせたものです。
ソースとして、オレンジのマルメラータ(マーマレード)をピューレ状にしたもの。
中のクリームはリコッタチーズに砂糖を混ぜただけなんですが、驚くほどにクリーミーで美味しかったです。
日本で食べるような、もそもそ感も味気なさもなく・・・。
素材の差、鮮度の差を感じました。


今回は知り合いと言うことで、大分サービスやメニューには載ってないような料理を出してもらいましたが・・・。
今、イタリアでもかなり勢いのあるレストランだと言うのは十分に理解できる、大満足の食事でした。
外観、店内の造りなどは質素ではありますが、料理を食べてみて2ツ星という評価も納得でした。
最近は、イタリアでも独創的な料理がもてはやされてたりするのですが、
アイデアだけに走らずに、ちゃんと味の構成も考えられていて、
驚きがありつつも安心できる美味しさ、そのバランスがうまいなあと感じました。

いろいろ考えさせられる、有意義な食事だったと思います。
またシチリアにいるうちに行きたいです。


Ristorante La Madia
http://www.ristorantelamadia.it/