新年、明けましておめでとうございます。
イタリアではクリスマスや大晦日、元旦は休むお店が多いのですが、現在働いているお店は12月の後半は休みなしでの営業。
お客さんの入りもぼちぼち。クリスマス、大晦日、元旦は満席でなかなか忙しい年末年始でした。
また大晦日は年越し営業。
夜の12時にはお客さんと一緒にカウントダウンをして、スプマンテで乾杯。
日本のレストランでは経験したことの無い雰囲気で楽しかったです。
ただ、全く飲めない僕は、一杯でグロッキーでそのまま部屋に戻って速攻落ちました。
住んでいる部屋が、レストランと同じ建物だったのがせめてもの救い。。。
元旦の営業が終われば、待ちに待った休日。
昼過ぎまでゆっくりした後、パレルモ市内で少し買い物をして、夕食はパレルモから少し離れたBagheria(バゲリア)と言う町にある
『Trattoria Don Ciccio』に行きました。
お店外観。新年を祝うイルミネーション。 |
バゲリアはパレルモから、車で30分程西に行ったところにある町です。
特に観光名所があるわけではないのですが、おそらくパレルモで一番有名であろうトラットリアがあります。
それが今回訪れた『Trattoria Don Ciccio』です。
メニュー |
値段も3〜10ユーロくらいのパレルモ価格。
突き出しのゆで卵とジビッボ |
直接お店の人に聞いたわけではありませんが、昔、まだイタリア(シチリア?)が貧しかった時代、
当時高級だった卵を食事の前に出すことによって「うちの店はいい物を出すんだ」とのアピールの意味を込めたのが初まりだそうです。
Pasta con le sarde |
イワシとフィノケット(finochetto:野生のウイキョウ)のパスタ。
初めてDon Ciccioでこのパスタを食べた時、フィノケットの荒々しい香りに衝撃を受けました。
というよりも、食べていて口の中がスースーしっぱなし。しかしそれが病み付きになったのでした。
日本でも食べたことがありますが、全くと言っていい程、別物でした。
Pasta con broccoli |
ブロッコリー(とは言ってもカリフラワーに近い)、トマト、玉ねぎ、レーズン、松の実などをクタクタになるまでに混んだソースのパスタです。
シンプルですが、滋味深い味。
Pasta con le sardeと同様、モリーカと言われる、パン粉を煎ったものたっぷりかけて食べます。
貧乏人のパルミジャーノとも呼ばれますが、シチリアのパスタには欠かすことの出来ないアクセントです。
Brociolone al sugo |
Brociolone al sugoはFalso magroとも呼ばる料理です。
薄くスライスした子牛肉に、パン粉、ひき肉、ゆで卵などの詰め物をして、トマトとグリーンピースで煮込んだ料理。
パレルモの超定番料理です。
しっかり煮込まれた肉は、柔らかく、ソースもしっかり浸みていて美味しかったです。
Grigliata mista |
子羊、サルシッチャ(生ソーセージ)、 子牛肉のインボルティーニの盛り合わせです。
インボルティーニはお肉や魚の薄切りに、パン粉、チーズ、松の実などの詰め物をした料理です。
Bistecca alla palermitana |
パレルモ風は、肉にパン粉をまぶし、グリルしたもののことを言います。
衣付けする際に、卵でなく、オリーブ油を使うのもパレルモ流だとか。
Sarde a Beccafico |
こちらもインボルティーニと同様で、パン粉の詰め物をイワシで包んでローストしたものです。
イワシが意外にもふんわりと焼き上がっていました。
カリッとさせずに、柔らかく仕上げるのがポイントだそうです。
carciofo alla villanella |
アーティチョークのパレルモ風。
アーティチョークをパセリ、ニンニク、アンチョビ、オリーブ油、水で煮たものです。
しっかり煮込まれていて、ホクホク、トロリとした食感。
Sformato di carciofi |
これがなかなかの絶品でした。
苦みやエグ味といった、独特のくせのあるアーティチョークですが、チーズやトマトソースで優しい味に。
Cassata al forno |
パイ生地、リコッタチーズ、スポンジ生地を重ねて焼いたもの。
カッサータは、どちらかといえば焼き菓子よりも生菓子の方が有名なのですが、
焼いた物も美味しいよとのことで頼みました。
生のカッサータよりも甘みは控えめ。
それでもかなり甘めですが。。。
Tiramisu |
味は、至って普通のティラミスです。
でもシチリアのお菓子に比べれば、甘さ控えめに感じられる罠。。。
2代目オーナーのサント・カストロノーヴォ氏 |
初めて訪れた時、「特別旨いわけでもないなあ」と思っていたDon Ciccioの料理。
回を重ねるごとにはまって来ています。。。
というよりも、『いつもの料理をいつもの雰囲気』で味わえることがこのお店の強みなんだろうなあと最近思います。
頑に昔からのメニューを守り、経営も家族経営。
前回訪れたRosanero然り、イタリアのトラットリアの神髄は『変わらない、変えないこと』にあるように感じます。