2011年6月11日土曜日

San Vito Lo Capo(Trapani)

サン・ヴィート・ロ・カーポ中心地
サン・ヴィート・ロ・カーポはパレルモから西へ100kmほど
トラパニからは東に40kmほど行った所にある小さな町です。

ちょっと中心から外れた道では牛の行列が・・・。
他にもの羊の放牧地なんかもあったりして、かなりのどかな雰囲気。
牛注意の看板なんかもあったりしました。

恐らく観光で成り立っているであろうこの町。
訪れた前日まで、クスクス・フェスタ(クスクス祭り)が行われていたようで
中心地では撤去作業の真っ最中。

お昼に訪れたPochoもクスクスを名物料理として提供していましたが
他のレストランやトラットリアでもクスクスを看板料理に掲げていました。

そして何よりもサン・ヴィートと言えばビーチ。
まさにエメラルドグリーンの海!
当日は生憎の天気でしたが、それでも海水浴客は結構いました。
まだまだ海の水は冷たかったですが、それでも気持ちよかったです。

ただ泳いでいる最中に雨が降り出したので撤収。。。
時間も時間だったので町を軽く散歩しながら、クスクススェーラの売っているお店を探すことに。

4人の利用のレンタル自転車
ビーチの近くにレンタルサイクルがありました。
普通の自転車の他に、4人乗りのものまで。
それぞれのシートにペダルが付いていて、一人一人が漕ぐようになっています。
しかし、そこはイタリア。乗っているカップルを見かけましたが、彼氏は話に夢中、彼女が頑張って一人で漕いでいました。

店先に飾られたカラフルなクスクスェーラ
 しばらく町を散策していたら店先にクスクスェーラを飾っているお店を発見。


シンプルなものや、飾りの付いたもの、小さなサイズから巨大なサイズまで 。。。
いろいろなクスクスェーラがありました。

お店用に一つと、同僚が一つ買って帰りました。

陶器のマグネット
他にも、陶器で出来たマグネットなど。可愛い小物も沢山。


車が無いとなかなか遠出は難しいのですが。(とくにシチリアの鉄道はかなり不便)
幸いシェフが車を出してくれるので、色んな所に行けて楽しませてもらってます。

2011年6月9日木曜日

Pocho(San Vito Lo capo)

先日はトラパニ近郊のサン・ヴィート・ロ・カーポという街にあるリストランテ
『Pocho』にクスクスを食べに行ってきました。

トラパニにはクスクスに魚介のスープを染み込ませた
『クスクス・トラパネーゼ』と呼ばれる伝統的な料理があります。
一般的にクスクスと言えば肉料理を連想しますが、クスクス・トラパネーゼは海に囲まれたシチリアならではのクスクスだと言えます。

さて、今回訪れた『Pocho』ですが、毎週日曜限定で
『クスクス・デグスタティオーネ』と呼ばれる、クスクスのフルコースが食べれます。

テラス席


食事に入る前に、クスクスの伝統的な作り方を教えてくれる、と言うので調理場にお邪魔しました。
残念ながら、『クスクスの女王』との異名を持つ、シェフのマリルーは出掛けているとのことで
代わりのシニョーラが作ってくれました。

まず、 セモリナ粉を少量の氷水でよくすり混ぜます。

 こちらの鍋が、クスクス用の鍋、クスクスェーラ。
そこに5mmほどの穴がいくつか空いており、鍋の上に置き、水を沸かした蒸気で蒸らす仕組みになっています。

ある程度セモリナ粉がまとまってきたら、塩、こしょう、パセリ、玉ねぎ、シナモンを加えて調味します。



クスクスェーラに先ほどのセモリナ粉を移します。

レモンの皮とローリエを香り付けに刺します。

水、香味野菜を入れた鍋の上にクスクスェーラを置き、小麦粉と水を練った生地で隙間を塞ぎます。
そのまま1時間ほど蒸らし、料理ごとにスープを染み込ませて、更に蒸らしてクスクスの完成です。

 一通り、クスクスの作り方を見せてもらった所で、席について食事のスタートです。

食前酒
まず食前酒として、シチリアの特産である、レモンを使ったカクテル。
カクテルとはいえ、かなりアルコールは強めで、アルーコールがダメな自分はアウト。。。でした。
一口ちびっとだけ。。。

パネッレ
こちらはシチリアのスナックで、パネッレと呼ばれ、ひよこ豆の粉の生地を揚げたもの。
黒こしょうがたっぷり効かせてあり、素朴な味わいながらもパンチがあって、お酒に合いそうな味でした。。。

 
テラスからの眺め。
サン・ヴィートの街と海が一望できる最高のロケーションです。
こんな所でランチを食べるなんて、最高の休日です。。。

クスクス・ディ・ペッシェ
一皿目に出てきたのは『クスクス・ディ・ペッシェ』
魚介が豊富なシチリアならではのクスクスです。
イカと海老のフリットも添えてあり、別の器には魚介のスープ。

付け合わせ
更に、イワシ、太刀魚のフリット、スープを採った魚(カサゴやボラ)も別皿で。

 クスクスは予めスープを染み込ませてあり、十分味は吸い込んでいますが、更にスープをかけて頂きました。
蒸して作るクスクスを初めて食べましたが、食感が全然違うことに驚きました。
インスタントのように、モサモサしておらず、歯ごたえもしっかり残っていて、かつスープの味もしっかり吸っていて。
スープもスパイスが利いていて、日本人に特に好まれそうな味でした。
魚介のうまさもさすがシチリアです。

レモンのシャーベット
 お口直しのレモンのシャーベット。
口の中をさっぱりさせた所でメインのクスクスの登場です。

クスクス・ディ・カルネ
 メインはお肉を使ったクスクス。
どちらかと言うと、こちらのクスクスの方が馴染みがありますね。
豚肉、ソーセージ、ピーマン、ウイキョウなどの具と、スパイスを利かせたスープをたっぷり染み込ませたクスクスを合わせてあります。

スープはたっぷり吸ってはいますが、やはり歯ごたえはプチプチと心地よく。
程よくスパイシーなクスクスは馴染みのある味です。
恐らくクミンが入っているような。。。

クスクス・ドルチェ
 マリルーのオリジナルのクスクスのデザート。
こちらのクスクスは水だけで蒸らした後、レーズンやドライイチジク、アーモンド、バターなどで味付けして
オレンジのマルメラータを添えてあります。
素朴な味ですが、クスクスの食感が良いアクセントになって、オレンジのジャムが甘味を補ってしみじみと美味しいデザートでした。

クスクスだけのコースと聞いていたのですが、味に飽きることもなく、お腹にもちょうど良く。
そして最高のロケーションで食べる贅沢。
たまにはこんな休日もいいものですね。

今回頂いたクスクス・デグスタティオーネですが、最初に書いたとおり日曜日限定のコースです。
トラパニでもクスクスは日曜に食べる料理のようで、作る手間など考えれば納得でした。
今回はうちのレストランのオーナーのコネで特別に月曜にやってもらいました。
さすがコネ社会のイタリア。。。いやいや感謝です。

ちなみにPochoはネコの名前だそうです。
お店にも至るところにネコの置物がありました。
ホテルも併設しています。
ホテルに泊まって美味しいクスクスを食べ、サン・ヴィートの海でゆっくり過ごす。。。
そんな贅沢な滞在も出来ます。

Pocho
http://www.pocho.it/